2025年4月 お役立ち情報
【今月のテーマ】
・在来工法と
・2×4工法の違い
在来工法と2×4工法
木造住宅には大きく分けて2つの工法があります。
「在来工法」「2×4工法」という言葉を聞いたことはあっても、それぞれの特徴や違いについてご存じの方は意外に少ないのではないでしょうか。
工務店にどちらが良いかを訊ねると、大抵はその工務店が得意な工法を勧められることが多いはずです。
どちらを勧める工務店が良いかということはなく、在来工法と2×4工法はまったく違う工法なので、工務店によって得意とする工法があるのは当然です。
また、それぞれの工法にメリットとデメリットがあり、両方の特徴を理解しておかないと比較はできないのです。
日本には四季があり、湿度などを鑑みると、日本の風土に合っている在来工法がいいという工務店さんが圧倒的に多い。
(2×4は欧米ではじまった工法)
新築を考える際、納得できる木造住宅を建てるために、それぞれの工法を理解していただきたいと思います。
今回は木造住宅を専門とする大工として、中立の視点から見た在来工法と2×4工法の違いをご紹介します。
柔軟性があるが工期がすこし長くなる在来工法
まず在来工法について。これは木造軸組工法といい、日本家屋では最も古くからある工法です。
「軸組」と呼ばれていることからもわかるように、その特徴は柱と梁で点と点を結ぶように軸組をして、その間に面となる壁や床をはめ込んでいく世界誇る日本の工法です。
在来工法のメリットは、空間の形やサイズが自由に決めやすく、柔軟に設計できるという点です。
狭い土地や変形した地形にも無理なく建てることができます。
また、空間の自由度が高いことから、部分的なリフォームから、間取り変更のような大がかりなリフォームにも対応でき、容易に増改築できる柔軟さがあります。
それは、柱と梁といった点と点で軸組をしているため、その間の壁を抜きやすいからです。
吹き抜けなど開放感のある家づくりがしやすいのもメリットのひとつです。
在来工法のデメリットとしては、軸組をしてから壁や床、屋根を取り付けるため、順を追って施工しなければならず、工期を短縮しにくいことがあります。
高度な技術が必要なので、建てる大工職人の技量によって施工品質が左右されやすいとも言えます。
工期は短いがリフォームしにくい2×4工法
どうしても工期がかかってしまう在来工法に比べて、より早く建てられるのが2×4工法です。
2×4工法は木造枠組工法といい、アメリカやカナダで多用されている工法です。
「枠組」と呼ばれていることからもわかるように、面で建物を支えます。
2×4工法のメリットは、軸組のように点と点ではなく、面で支えるため、耐震性に優れていることです。
また、システム化された工法により職人の技量に左右されにくく、工場であらかじめ組み立てたパネルをクレーンで積み重ねていくので、平均工期は2~4ヶ月という早さです。
そんな2×4工法にもデメリットはあります。
壁面にあたるパネルが規格化されているので、例えば「部屋を数センチ広げたい」というような細かな希望は叶えにくいという点です。
パネルで構成されているため、壁を取り払うのが難しく、後のリフォームや増改築がしにくいこともデメリットになるでしょう。
(基本的にはリフォームはできないと思った方がいいでしょう)
このように、それぞれにメリットとデメリットがあり、どちらかに優劣があるとも言いきれません。
まずは両方の特徴を知り、ご自身のライフスタイルに合った工法を検討してみてはいかがでしょうか。
どうしても2×4工法はリスクが高い為、青森県内でもほとんどの工務店様は木造軸組工法(在来)が圧倒的に多くなっています。