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2025年6月お役立ち情報

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<<<今月のテーマ>>>
現代の家づくりにも
生きている 
木組み工法の伝統

地震と梅雨が
日本の家づくりにもたらしたもの
家屋が古くから木組み工法で建てられてきたことは、日本が地震国であることと無縁ではありません。

木材は加工がしやすく粘りがあります。
そして手作業で長さを継ぎ足す「継手」(つぎて)と木材を横方向から接合する「仕口」(しぐち)をうまく組み合わせて強固に組み上げることで
耐震性に優れた建築物を建てることができるのです。

もうひとつの日本の特徴は、梅雨があることです。
まとまった雨が降る季節でも家が傷まないように、屋根の軒先を広く取った家が一般的です。
この長く張り出した屋根を構成するのにも、木組み工法はなくてはならない技術です。

今でも木組み工法は神社やお寺を建てるときに用いられ、宮大工(みやだいく)と呼ばれる木工の高い技法を習得した専門家が手作業で組み上げます。
ちなみに、よく宮大工は釘一本使わずに建てるなどと言われますが、現在の建築基準法では、金具での耐震補強を行うことは必須です。


家大工に引き継がれる木組み工法の技術
さて、お寺を建てる宮大工に対して、家を建てる専門家が家大工(やだいく)です。
どちらの技術が優れているとか難しいということはなく、建物の大きさも使われる目的も異なりますので、必要な技術も異なります。

家の建築は余計な手間賃を抑えるために効率と早さを求められます。
そのため、家大工にもそれに見合った技術が求められることになるのです。

ただし、家大工も、構造や強度を考えた上で、宮大工が得意とする木組み工法を必要不可欠な部分に用いています。
その代表的な技術が「継手」と「仕口」です。

木材はもともと植物ですから、いくら長いものでも限りがあります。
それを継ぎ足すための工法が「継手」です。

この「継手」には様々な種類があります。
家の建築の中では、土台(どだい)や屋根を受ける桁(けた)、柱と柱をつなぐ梁(はり)に木組みの「継手」の技術が用いられています。

もうひとつの「仕口」は、2つ以上の木材を、主にT字型やL字型につなぐ工法です。
家の建築の場合は、土台と柱のつなぎ目や梁と桁のつなぎ目を組むときにこの「仕口」の技術が用いられています。


日本の誇る「木を読む」技術をぜひ見てほしい
これらの木組み工法は、現在の建築工学から見てもまったく合理的であり、世界に誇ることができる日本の建築技術です。
機械で一律に加工せず、眼と手を活かした木組み工法は、木を知り尽くした工法なのです。

木組み工法は「木を読む」ための知識を前提とします。
木目や色、年輪などから木の育成状態やそれぞれの木の性質を読み、どういう用途に適した木材なのかを判断しなければなりません。
接合部分だけでなく、長さや断面の加工、そして見え方にもバランスを考えて、押さえ込んだり、差したり、抜いたり、締め込んだりと
適材適所を判断して用いるのが木組み工法です。

それぞれの木の個性を見抜き、性質にふさわしい「継手」や「仕口」を刻み入れることで、その木の本来の力を最大限に引き出すのです。
もし在来工法の建築作業を見る機会があれば、長い時間をかけて職人の先人たちが試行錯誤を繰り返して培ってきた伝統の技を、ぜひ見てください。

大工としても木組み工法は腕の見せ所ですから、喜んで対応してくれると思います。

 

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