2024年10月 お役立ち情報
今月のテーマTheme
〈暖かさ重視の間取りづくり〉
間取りは家づくりの根幹
デザイン性や動線、収納スペースなど、さまざまな観点から検討されていることと思います
特に寒冷地では「暖かさ」にフォーカスを当てることは欠かせないでしょう
そこで今回は、暖かい家を実現するための間取りのアイデアをご紹介しましょう
開放感と暖かさを両立
スキップフロアや吹き抜けなどの開放的な間取りは、一戸建ての魅力の一つです。でも、実はそうした空間は熱の行き渡りを悪くしてしまいます
開放感を維持しながら暖かさも確保するには、暖房方式と設備の配置を慎重に計画する必要があります
例えば床暖房や床下エアコンを導入すれば、開放的な空間でも足元からムラなく暖めることができます
エアコンを天井に設置するのはおすすめできません。壁付けや床置きタイプを各空間に分散して設置しましょう
吹き抜け部分への温風の供給口を設けたり、スキップフロアの位置を工夫したりすれば、各空間への暖気の流れをより円滑にできます
間仕切り壁の配置なども検討し、暖房効率の高い動線計画を立てましょう
日射熱を上手に取り込む配置
冬場の暖房代は、太陽の日射熱をうまく取り入れることで大幅に安くなります。窓の大きさと向き、庇の設置を工夫しましょう
例えば南側の開口部を大きくして、日射熱が室内に十分取り込まれるようにしてください
リビングのような家族が多く集まる空間を南側に配置するのは理にかなっていますが、夏場の日射熱対策も必要になります
西側への大きな開口部は避け、庇の深さを調整するなどの工夫が必要です
窓の種類にも注目しましょう
ペアガラスやトリプルガラスの高断熱サッシを採用すれば、冬は暖気を逃がさず、夏はほどよく日射熱を取り込めます
特に北側の窓はペアガラス以上の高断熱サッシを採用するとよいでしょう
バリアフリーと暖かさの両立
高齢者と同居する場合はバリアフリーを前提に間取りを考えなければならないこともありますが
バリアフリー住宅は自然と開放的な間取りになりがちなので、暖房効率が課題になります
この問題を解決する方法として、各空間のゾーニングと動線を工夫することが考えられます
プライバシーを守りつつ、移動の導線上にある空間に優先的に暖気が行き渡るような配置を心がけるといいでしょう
また、仏間やサンルームなど、暮らしの要所にあたる部屋に重点的に暖かさを確保できるよう配慮しましょう
例えばリビングなどのメイン空間を中心に、プライベート空間や水回り、玄関などをコンパクトにまとめる間取りはどうでしょうか
開放感もありながら、無駄な空間を作らず、効率的に暖房できる構造が可能です
さらに床暖房の活用などと組み合わせれば、開放的でバリアフリーな暖かい間取りを実現できるでしょう
家づくりの専門家に相談を
特に寒冷地においては、ここまで紹介したように、「暖かさ」を考慮して一戸建ての間取りづくりを行う必要があります
開放感と暖房効率、日射熱の取り込み方、バリアフリー性との両立など、さまざまな観点からアイデアを練ることが求められます
とはいえ、間取りだけですべての課題を解決することは難しいかもしれません。優先順位を付けたり、工夫の組み合わせを検討したりすることがポイントです
計画段階から私たち家づくりの専門家に相談しながら、賢い間取り計画を立てましょう
それによって、デザイン性と暖かさ、使い勝手の良さを兼ね備えた、理想の我が家を実現できるはずです